「詩篇」とりわけ「ざんげの詩篇」について
「詩篇」38篇
神様への叫び 「詩篇」38篇10〜23節(その1)
人は様々な苦しみを受けるものですが、
多くの人が最も苦しめられるのは「孤独」ではないでしょうか。
この孤独の問題について詩人はここで語り始めます。
敵が詩人に襲いかかってきました。
詩人自身の罪がそれを誘引した面もあるでしょう 。
敵からの集中攻撃を受けている詩人を目の当たりにして、
詩人の友人たちは彼から離れ始めました。
敵どもは詩人を包囲していますが、
これは神様の許可があったからできたことです。
眼前の敵に対して詩人にはなすすべがありません。
彼にできることは神様に助けを叫び求めて祈ることです。
そのようにして彼は唯一の安全な「避難所」に身を隠します。
この詩人が結局どうなったのか「詩篇」は語っていません。
神様が自分を救ってくれることを詩人が確信していたかどうかも、
この「詩篇」からは伝わってきません。
しかし
「神様はあらゆるものを超越した大いなるお方である」
という事実だけははっきりと伝わってきます。
困難な状況が現出するのを許されたのが神様御自身なのだとすれば、
やはり神様だけが詩人を苦境から救い出す力を有しておられることにもなります。
だからこそ、
人は神様の御前で心から祈り叫ぶことができるのだし、
また神様から本当に助けをいただけることを確信できるのです。