2018年12月14日金曜日

「ペテロの第一の手紙」ガイドブック 3章1〜6節 朽ちることのない美しさ(その1)

 「ペテロの第一の手紙」第3章 

苦しみと希望

第2章の後半部において「家訓」とも称される奨励の部が始まりました。
ここには、様々な立場や環境の下で暮らしている
「キリストに所属する人々」を対象とする様々な指示が与えられています。
第2章で私たちは
僕(しもべ)の立場にある人々への奨励の内容と意味を検討しました。
以下では、
女性に対する奨励の内容をまず吟味し、
その次に男性に対する奨励の内容を学ぶことにします。


3章1〜6節 朽ちることのない美しさ(その1)

1〜6節は「妻」に対する指示の内容を述べています。
すでに見た通り「僕」(奴隷)に対する指示は
実のところすべてのキリスト信仰者の生活態度に関するものでしたが、
妻に対する指示の場合についてもこれと同様に考えることができます。
ペテロはここでも人の立ち居振る舞いのもつ大切な意味を強調します。
言葉だけでは人の心を動かせない場合もありますが、
模範的な態度のもたらす影響力は大きいからです。

「木はそれぞれ、その実でわかる。
いばらからいちじくを取ることはないし、
野ばらからぶどうを摘むこともない。」
(「ルカによる福音書」6章44節、口語訳)

イエス様のこのたとえの通りに、
キリスト信仰者ではない人々は私たちキリスト信仰者のことを、
私たちの言葉ではなく私たちの行いに注目して批判的に判断する場合が
多いのではないでしょうか。

そして、このことは家庭において特に顕著にあらわれます。
妻がキリスト教を信じるようになった結果として、
夫に対する彼女の態度が以前と比べて冷淡になるどころか
それとは逆に優しく愛に満ちたものになるならば、
夫もキリスト信仰者になりやすい環境が整えられていくことでしょう。

3〜4節において、使徒ペテロは
女性が美しく着飾ること自体を禁じているのではありません。
美的外観よりも決して朽ちない真の美のほうを大切にするように、
と奨励しているのです。
謙虚さに彩られた美しさを代表する例として、
ペテロはアブラハムの妻サラをあげています。

私たちもまたよい行いをするべきです。
その際、行いの結果として生じる新しい状況に恐れをなしてはいけません。