あなたにゆだねられていることを守りなさい
(「テモテへの第一の手紙」6章20〜21節)
「テモテよ。あなたにゆだねられていることを守りなさい。
そして、俗悪なむだ話と、偽りの「知識」による反対論とを避けなさい。」
(「テモテへの第一の手紙」6章20節、口語訳)
キリスト教信仰は神様が私たちに示された啓示に依拠していることを
パウロはここで強調しています。
テモテは神様から啓示されたことをしっかり守らなければならないのです。
復活されたキリストは「ヨハネの黙示録」で
テアテラの教会と
フィラデルフィア(口語訳では「ヒラデルヒヤ」)の教会に対しても
同じように命じておられます。
「知識」はギリシア語で「グノーシス」といい、
「グノーシス主義」という異端の名称の由来となっています。
「ある人々はそれに熱中して、信仰からそれてしまったのである。
恵みが、あなたがたと共にあるように。」
(「テモテへの第一の手紙」6章21節、口語訳)
異端の教師たちがまさしく教会の内側から出現してきたことに注目しましょう。
かつてパウロが第三次伝道旅行の際に
エフェソの教会の指導者たちへの別離の挨拶で
予言していた通りのことが起きたのです
(「テモテへの第一の手紙」1章6節も参考になります)。
「どうか、あなたがた自身に気をつけ、
また、すべての群れに気をくばっていただきたい。
聖霊は、神が御子の血であがない取られた神の教会を牧させるために、
あなたがたをその群れの監督者にお立てになったのである。
わたしが去った後、
狂暴なおおかみが、あなたがたの中にはいり込んできて、
容赦なく群れを荒すようになることを、わたしは知っている。」
(「使徒言行録」20章28〜29節、口語訳)
「テモテへの第一の手紙」は
「恵みが、あなたがたと共にあるように」という一文で閉じられますが、
この手紙の受け取り手は「あなたがた」というように複数形になっています。
古典古代の手紙の中には
個人宛のものであるのに終わりの挨拶は複数形の宛名になっているものが
他にも知られています。
この手紙を書いたとき、パウロはテモテだけではなく
エフェソの教会全体のことも念頭においていたのでしょう。
そしてパウロからの挨拶を教会全体に対して伝えるために
この手紙は教会の礼拝でも朗読されたものと思われます。
(これで「テモテへの第一の手紙」ガイドブックを終わります)