この「詩篇」の終わりには
「善なるお方である神様がきっと助けてくださる」
という驚くほど安らかな信頼感が表明されています。
詩篇朗唱者は困難の只中にあって
ただひたすら苦しみ続けているだけではありません。
彼は「神様のもの」となっており、
また神様に信頼する人間でもあります。
人が罪と痛みのゆえに非常に苦しめられる様子と、
心安らかに神様の恵みに信頼を寄せる姿勢とが
同一の「詩篇」の中に収められていることになります。
実はこれは多くの「詩篇」に共通する特質でもあります。
マルティン・ルターはこの特質について
「ここでは真の教師が信仰の基本について教えてくださっている」
という言葉で表現しました。
苦しみと罪、そして喜びと助けとは、
キリスト信仰者の生活の中でも常に並行して現れる現象なのです。