2019年5月13日月曜日

「ペテロの第一の手紙」ガイドブック 5章1〜5節 教会とその牧者(長老)たち(その3)

「ペテロの第一の手紙」第5章 

5章1〜5節 教会とその牧者(長老)たち(その3)
  
現代の世界には、旧約の意味での祭司はもう存在していません。
しかしその一方で、私たちキリスト信仰者は皆「万人祭司」となっています。
そしてさらに
「万人祭司」とは明確に区別される「牧師」という職制が別にあります。

「神は無秩序の神ではなく、平和の神である。
聖徒たちのすべての教会で行われているように、
婦人たちは教会では黙っていなければならない。
彼らは語ることが許されていない。
だから、律法も命じているように、服従すべきである。
もし何か学びたいことがあれば、家で自分の夫に尋ねるがよい。
教会で語るのは、婦人にとっては恥ずべきことである。
それとも、神の言はあなたがたのところから出たのか。
あるいは、あなたがただけにきたのか。」
(「コリントの信徒への第一の手紙」14章33〜36節)

この箇所に基づいて
「キリスト教会における牧師の職制は男性にのみ属するものである」
と私たちは教えます。
どうしてそうなのか、私たちは知りません。
また、その理由を詮索するのは私たち人間のやるべきことでもありません。

この箇所には、牧師の職務に関する素晴らしい指示が
幾つかの短い言葉で与えられています。
宗教改革者マルティン・ルターはそれを説明する際に
「牧師になることは誰にも押し付けるべきことではない」
ということを強調しました。
これは正しい態度であるといえます。
牧師の仕事はとても大変なので、
牧師になるにせよ、ならないにせよ、
その選択は誰からも強制されずに自ら行うべきことだからです。
「給料がもらえる」という理由で牧師の仕事に就くことがあってはなりません。
また、牧師には
「他の人々を上から支配したい」という権力欲が出ることがあります。
それに対してこの箇所の御言葉は
「そのようなことがあってはならない」と明確に教えています。