2017年1月18日水曜日

「ローマの信徒への手紙」ガイドブック 16章7節 ユニアスとアンドロニコ(その2)

ユニアスとアンドロニコ 167節(その2)

ギリシア語の原語本文に基づく限り、
名前がユニアス(男性)なのか、ユニア(女性)なのか、
確実なことは実のところは何も言えません。
どちらも文法上ありうる形だからです。
ユニアヌスという男性の名前は
ユニアスという短縮形の名前で記されることがありました。
他にも、シルワーヌスという名前がシラスに短縮されたケースがあります。
最終的には、確率的な結論を下すほかありません。

「この二人は使徒たちの間で大いに評価されていた」、と原文は記しています。
これは二つの意味に取ることが可能です。
一つは、「両者は高い評価を受けていた使徒だった」、という解釈です。
もう一つの有力な解釈は、
「使徒たちが彼らのことを高く評価していた」、というものです。

「使徒」と訳される「アポストロス」というギリシア語は
「派遣された者」、「メッセージを伝える者」という意味を持ち、
広い意味でも狭い意味でも使用することができます。
それは、狭い意味では十二使徒を指し、
パウロさえもその中には含まれていません。

それよりもはるかに広い意味の使用例としては、
フィリピの信徒たちがパウロの許に派遣したエパフロデトが挙げられます
(「フィリピの信徒への手紙」225節)。
この箇所における「使徒」の意味は
「メッセンジャー、すなわち使者」というものです。
このことからわかるように、この言葉の意味を考える時には、
その狭い用法と広い用法とをしっかり区別しなければなりません。