ユニアスとアンドロニコ 16章7節(その3)
以上述べてきたことから、
「女性使徒」の存在は想像の域を出るものではないことがわかりました。
もしも「ユニア」という読み方が正しく、
また、このユニアが「アポストロス」だったとするなら、
この言葉はここでは広い意味で使われていたことになります。
「女性牧師制」をセンセーショナルな話題として取り上げた
フィンランドの新聞や雑誌が「女性使徒の発見」なるものに異常な関心を示し、
「コリントの信徒への第一の手紙」14章33〜36節や、
「テモテへの第一の手紙」2章9〜15節など、
このテーマに直接関係する聖書の箇所を無視したのは、
聖書の教えを軽んじる今の時代の風潮を反映するものだと言えます。
ところで、
この「ユニアス」か「ユニア」か、という名前の問題は、
研究者たちがわずか一節の一部からさえも
実に多くのことを導出できることを示す好例です。
パウロはユニアス(ユニア)とアンドロニコのことを
「同族」、「一緒に投獄された仲間」と呼んでいます。
彼らはパウロ自身よりも以前にキリスト信仰者とされた人たちでした。
彼らは「使徒たちの間で大いに評価されていた」人たちでした。